フリーランスWeb制作者に依頼するメリット・注意点
フリーランスのWeb制作者に頼むと、相談しやすく、小回りがききやすい面があります。一方で、料金だけで選ぶと、頼める範囲や修正の回数で行き違いが起きがちです。頼む前に確かめたいことを、AIへの頼み方の例とあわせてまとめます。
フリーランスは、会社に入らずに、個人で仕事を受ける人のことです。この記事は、フリーランスに頼むかどうか考えている、頼む側の目線で書いています。
フリーランスWeb制作者に依頼するメリット
フリーランスに頼むよさは、相談する相手と作る人の距離が近く、柔軟に進めやすいことです。
制作会社では、営業、ディレクター(制作の進め方をまとめる役)、デザイナー、コーダー(デザインをもとにページを組み立てる人)のように、何人かで分かれて進むことがよくあります。フリーランスなら、相談する相手と実際に作る人が近いので、決めることや確かめることがすぐに伝わりやすくなります。
とくに、次のような仕事と相性が良いです。
- LP(広告などから来た人に向けた、縦に長い1枚の宣伝ページ)の制作
- コーポレートサイト(会社を紹介するホームページ)の制作
- WordPressでのサイト作り
- Figmaで作ったデザインを渡されて、ページに組み立てる仕事
- 制作会社から、仕事の一部を任される外注先(パートナー)として受ける仕事
- 何を作るかがまだ固まりきっていない段階の整理
WordPressは、ホームページを作って、あとから管理画面で中身を書きかえられるようにする仕組みです。Figmaは、デザインを作って共有するためのソフトです。
一人でどこまで対応できるかは、制作者によって違います。筆者の場合は、WordPressまで一人で対応できます。制作会社の仕事にも慣れているので、Figmaのデザインからページを組み立てる作業や、仕様(何をどう作るかの決まりごと)があいまいな段階での整理にも対応しやすいです。AIも、確認作業や文章の整理に使い、制作の手間を減らしています。
フリーランスに依頼するときの注意点
フリーランスに頼むときは、料金のほかに、頼める範囲・修正の回数・連絡のしかたを確かめておくことが大切です。
「安いから」という理由だけで選ぶと、あとから「思っていたのと違う」という行き違いが起きることがあります。同じWeb制作でも、見積もり(作業の中身と金額を書き出したもの)に入っている作業は、人によって違うからです。たとえば、次のような点です。
- デザインは入っているか
- コーディング(デザインをもとに、ページを組み立てる作業)だけか
- WordPressで書きかえられるようにする作業(WordPress化)まで入っているか
- 原稿(ページにのせる文章)を作る作業は入っているか
- 公開する作業は入っているか
- 修正は何回までか
- 公開したあとの保守(サイトの手入れ)はあるか
頼める範囲が違えば、金額だけをくらべても正しくくらべられません。見積もりを見るときは、「いくらか」と一緒に「どこまで入っているか」を確かめましょう。
料金と修正の範囲を、作業を始める前にはっきりさせてくれるか、返事がどのくらいで来るかも、頼む前に確かめておきたい点です。筆者の場合は、すぐか当日中、遅くても1日以内に返すことを目安にしています。土日は平日より遅くなることもありますが、返事はしています。
このあと出てくる枠の中の文は、ChatGPTやClaude(ChatGPTと同じように、文章で話しかけて使うAI)の入力欄に貼って使えます。( )の部分は、自分の内容に書きかえてください。
見積もりを受け取ったら、上の点が書かれているかを、AIに確かめてもらう方法もあります。見積もりの文章をコピーして、入力欄に貼ってください。
Webサイトの制作を、フリーランスの制作者に頼もうとしています。
下に、受け取った見積もりの文章を貼ります。
(ここに見積もりの文章を貼る)
この見積もりに、次のことが書かれているかを確かめてください。
・デザインは入っているか
・コーディングだけか、WordPress化まで入っているか
・原稿を作る作業は入っているか
・公開する作業は入っているか
・修正は何回までか
・公開したあとの保守はあるか
書かれていないことは、推測せずに「書かれていない」としてください。
最後に、制作者に聞いておくとよい質問を書き出してください。
AIが読み違えることもあります。気になるところは、見積もりの元の文章を読み直し、制作者にも聞いて確かめてください。
フリーランスへの依頼が向いている案件・向かない案件
フリーランスへの依頼は、小回りや柔軟さが必要な仕事に向いています。一方で、条件によっては向かない仕事もあります。
向いているのは、次のような仕事です。
- LPや、小〜中くらいの大きさのサイトの制作
- WordPressでのサイト作り
- Figmaのデザインを渡されて、ページに組み立てる仕事
- 制作会社の外注先として受ける仕事
- 仕様を整理しながら進めたい仕事
- 相談しながら、何から先にやるかを決めたい仕事
逆に、フリーランスとは進めにくい仕事もあります。
- 何を作るか(要件)があいまいなまま、納期が短い仕事
- 予算だけで決められる仕事
- 修正の回数に上限がない仕事
- デザインが決まっていないのに、納期だけ決まっている仕事
- 連絡がとても遅い仕事
- 大きなシステムの開発
とくに、修正の上限がない仕事や、デザインが決まらないまま納期だけ決まっている仕事は、進めている間に、片方にばかり負担がかかりやすくなります。
ノーコード(プログラムを書かずに、画面の操作だけでサイトを作れる道具)だけで作る仕事は、制作者によって引き受けるかどうかが分かれます。筆者の場合は、作る作業は引き受けず、ディレクション(制作の進め方をまとめる仕事)の立場で関わります。必要なら、ノーコードの担当者に声をかける形も考えられます。
自分の頼みたい仕事が、進めにくい条件に当てはまっていないかは、頼む前に確かめておけます。作りたいものや納期を書きこんで、ChatGPTやClaudeの入力欄に貼ってください。
Webサイトの制作を、フリーランスの制作者に頼むか考えています。
頼みたい内容は次のとおりです。
作りたいもの:(お店の紹介ページ。5ページくらい)
公開したい日:(3か月後)
デザイン:(まだ決まっていない)
原稿や写真:(文章はこちらで用意する。写真はまだない)
予算:(まだ決まっていない)
この内容で、頼む前に決めておいたほうがよいことと、あいまいなまま進めると困りそうなことを書き出してください。
フリーランスに向いているかどうかは決めつけず、考える材料として出してください。
継続依頼するときに決めたいこと
同じフリーランスに続けて頼む(継続依頼する)場合は、毎回の作業の範囲、連絡のルール、納品のしかたを先に決めておくと進めやすくなります。
継続依頼のよさは、毎回ゼロから説明しなくても、サイトのつくりや制作の方針を分かっている相手に相談できることです。一方で、続けているからこそ、どこまで頼めるかがあいまいになりやすい面もあります。たとえば、次のようなことです。
- 毎月のちょっとした修正まで入るのか
- 新しいページを作るときは、別に見積もりを出すのか
- WordPressの更新(新しい版に入れかえる作業)や保守まで入るのか
- 記事の入稿(記事をサイトに入れて、公開できる状態にする作業)や、検索結果に出るページの題名(SEOタイトル)の調整も入るのか
- 連絡は、Chatwork、Slack(どちらも仕事用のチャット)、メールのどれで取るのか
- 納品は、zip(ファイルをまとめて1つにしたもの)、GitHub(プログラムを保管して共有する場所)、テスト環境(公開前に確かめるための別のサイト)への反映のどれか
継続依頼では、「何でも頼める状態」より、「どこまで頼めるかがはっきりしている状態」のほうが安定します。
続けて頼む範囲は、相手が得意な作業を中心に組むと進めやすくなります。筆者なら、Web制作、WordPressでのサイト作り、Figmaのデザインからの組み立て、制作会社の仕事の手伝い、AIを使った作業の効率化がそれにあたります。
一方で、修正の上限がない、要件があいまいなまま納期が短い、デザインが決まっていないのに納期だけ決まっている、といった進め方は、継続依頼でも合わなくなりやすいです。
最初に決めたいことは、次のとおりです。
- 作業の範囲:月の中に入る作業と、別に見積もりを出す作業
- 連絡のルール:連絡の手段、返事の目安、急ぎのときの扱い
- 修正の範囲:作る側のミス(実装ミス)、デザインの変更、新しく足す仕様の分け方
- 納品のしかた:zip、GitHub、テスト環境、本番(公開中のサイト)への反映
- 優先順位:いくつも頼みごとがあるとき、何を先に進めるか
依頼前チェックリスト
フリーランスに頼む前に、次のことを確かめておくと、相談が進めやすくなります。
- 作りたいサイトの目的は決まっているか
- ページ数は決まっているか
- デザインがあるかどうかは決まっているか
- 原稿や画像を、こちらから渡せるか
- WordPress化が必要か
- 公開したい日はあるか
- 修正の回数に希望はあるか
- 公開したあとの保守や更新も必要か
- 連絡の手段は決まっているか
- 継続して頼む場合、毎月入る作業と、別に見積もる作業を分けたか
- 納品のしかたは、zip、GitHub、テスト環境のどれか
全部が決まっていなくても、相談はできます。ただ、決まっていないことが多いときは、作り始める前に、何を作るかを整理する時間(要件整理)を取ったほうが安心です。
チェックリストに答えたら、その答えをもとに、最初の相談のメッセージをAIに下書きしてもらう方法もあります。分かっているところだけ書きこみ、決まっていないところは「未定」のままで、入力欄に貼ってください。
フリーランスのWeb制作者に、はじめて相談のメッセージを送ります。
下のメモをもとに、相談のメッセージを下書きしてください。
サイトの目的:(お店の予約を増やしたい)
ページ数:(未定。5ページくらいのつもり)
デザイン:(未定)
原稿や画像:(文章は用意できる。写真は未定)
WordPress化:(自分で更新したいので、必要だと思う)
公開したい日:(来年の春)
公開したあとの保守:(未定)
決まっていないことは「未定です。相談しながら決めたいです」と書いてください。
ていねいに、短めにまとめてください。
AIの下書きは、そのまま送らずに読み直し、自分の言葉に直してから送ってください。
実際に選ぶ段階での見きわめ方は、フリーランスWeb制作者の選び方でくわしく書いています。
制作会社とフリーランスのどちらに頼むか迷う場合は、Web制作会社とフリーランスの違いと選び方が判断材料になります。
よくある質問
Q. フリーランスWeb制作者に依頼するメリットは何ですか?
A. 相談する相手と作る人の距離が近く、柔軟に進めやすい点です。担当者が変わりにくく、小回りがきくこともよいところです。
Q. 制作会社とフリーランスのどちらに依頼すべきですか?
A. 大きな案件や、いくつもの分野をまとめて任せたい場合は制作会社が合いやすいです。小〜中くらいのサイトや、相談しながら柔軟に進めたい場合は、フリーランスが合いやすいです。
Q. フリーランスに依頼するときの注意点はありますか?
A. 頼める範囲、修正の回数、納期、連絡のしかた、公開したあとの対応を、先に確かめてください。料金だけで決めると、あとから行き違いが起きやすくなります。
Q. WordPressでのサイト作りまで依頼できますか?
A. 対応できるフリーランスなら頼めます。頼む前に、デザイン、コーディング、WordPress化、公開作業のどこまでが入るかを確かめましょう。
Q. 何を作るか(要件)が固まっていなくても相談できますか?
A. 相談はできます。ただ、納期が短く、要件があいまいなまま進めると、作り直しが増えます。作り始める前に、要件を整理する時間を取るのがおすすめです。
まとめ
フリーランスのWeb制作者に頼むよさは、相談する相手と作る人の距離が近く、小回りがきくことです。柔軟に進めたい仕事や、相談しながら形にしたい仕事と相性が良く、WordPressまで一人で対応できる人もいます。
一方で、料金だけで決めたり、修正の範囲を決めないまま進めたりすると、あとから行き違いが起きやすくなります。頼む前に、次のことを確かめておきましょう。
- 頼める範囲
- 修正の回数
- 納期
- 連絡のしかた
- 継続して頼むときの作業の範囲
- zip、GitHub、テスト環境などの納品のしかた
- 公開したあとの対応
- WordPressに対応しているか
要件があいまいなまま納期が短い仕事や、修正の上限がない仕事は、避けたほうが安心です。フリーランスに頼むか迷っている段階でも、まずは作りたいものと予算の感じを整理するところから始めるのがおすすめです。
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フリーランスへの依頼が合うか迷っている段階でも、まずはお気軽にご相談ください。