中小企業サイトで最初に整える基本SEO
中小企業のホームページでSEO(検索で見つけてもらいやすくする工夫)を始めるとき、最初に整えたい基本の設定をまとめました。主なページで見直すところ、後回しでよい対策、月1回の確かめ方、AIへの頼み方の例も分かります。
基本の設定が整っていないと、検索エンジン(Googleなどの検索のしくみ)にも、見に来た人にも、中身が伝わりにくいサイトになります。この記事は、Web制作の仕事をしている筆者の立場から書いています。
中小企業サイトのSEOは、まず基本の設定から整える
SEOと聞くと、専門的な分析や難しい対策を思い浮かべる人が多いと思います。中小企業のサイトで最初に見るのは、もっと手前の、サイトの基本の設定とページの組み立てです。
筆者はWordPress(ホームページを作り、あとから管理画面で中身を書きかえられるようにする仕組み)でのサイト制作の仕事で、公開したあとのSEOの設定を、お客さんと一緒に見直すことがあります。タイトル、alt(画像の説明)、内部リンク(同じサイトの中のページどうしをつなぐリンク)を整えるだけで、検索での様子が変わることは少なくありません。
Googleが出しているSEOの入門の説明(SEOスターターガイド)でも、見に来た人の役に立つ中身を作ること、検索エンジンがページを理解しやすい状態にすることが大事だと説明されています。
専門のSEOコンサル(SEOの相談にのる会社や人)に頼む前に、自分の会社で確かめられることはたくさんあります。ここから、最初に整えたいところを順に書きます。
最初に整える基本SEO
Search Consoleを設定する
Search Console(サーチコンソール)は、Googleの検索で、自分のサイトがどう見られているかを確かめるための道具です。分かることは、たとえば次のようなことです。
- どんな言葉で検索されたか(検索キーワード)
- 検索結果に何回出たか(表示回数)と、何回クリックされたか(クリック数)
- ページがGoogleに登録されて、検索結果に出せる状態になっているか(インデックスの状況)
まずはSearch Consoleを設定して、サイトが検索結果に出ているかを見られる状態にします。数字を見る環境がまだなければ、Search Consoleの初期設定と使い始め方から始めてください。
SEOタイトルを見直す
SEOタイトルは、検索結果に大きく出る、ページの題名です。検索結果に出る大事なところなので、ページの中身と、検索する人が使う言葉を、自然に入れます。
たとえば「外壁塗装の料金」「相続の無料相談」のように、何のページか分かる言葉を入れると伝わりやすくなります。「サービス」の一語だけのタイトルでは、何を頼めるページなのかが伝わりません。
キーワード(検索で使われる言葉)を、たくさん詰めこむ必要はありません。確かめたいのは、タイトルと本文の中身が合っているかどうかです。
このあと出てくる枠の中の文は、ChatGPTやClaude(ChatGPTと同じように、文章で話しかけて使うAI)の入力欄に貼って使えます。( )の部分は、自分の内容に書きかえてください。
今のページのタイトルが中身と合っているかを、AIに見てもらう例です。サイトの主なページについて、今のタイトルと、そのページに書いてあることを書き出して貼ってください。
会社のホームページの、ページのタイトルを見直しています。
タイトルは、検索結果に大きく出るページの題名です。
下のページごとに、今のタイトルが中身と合っているかを見てください。
合っていないものには、何のページか分かるタイトルの案を2つずつ出してください。
検索で使われそうな言葉は自然に入れて、詰めこみすぎないでください。
会社の仕事:(○○市で外壁塗装をしている会社)
ページ1の今のタイトル:(サービス)
ページ1に書いてあること:(外壁塗装の料金と、工事の流れ)
ページ2の今のタイトル:(会社概要)
ページ2に書いてあること:(会社の住所、代表のあいさつ、持っている資格)
AIの案は、そのまま使わないでください。実際の仕事の内容や料金と合っているかを自分で確かめて、言葉を直してから使います。
表示の速さを改善する
表示が遅いサイトは、見に来た人が待ちきれずに帰ってしまいやすくなります(これを「離脱」と言います)。とくに、次のようなサイトには直せるところが残っています。
- 画像のファイルが大きくて重い
- 使っていないスクリプト(ページの中で動くプログラム)を読みこんでいる
- CSS(ページの見た目を決めるデータ)やJavaScript(ページに動きをつけるプログラム)が整理されていない
Web制作の段階で見直すのは、画像の大きさ、WebP化、要らない読みこみの削除、LCP画像の扱いなどです。WebP化は、画像を、軽くて画質を保ちやすいWebP(ウェッピー)という形式にすることです。LCP画像は、ページを開いたときに、最初の画面でいちばん大きく出る画像のことです。
こうしたところを見直すだけでも、見ている人が感じる速さは変わります。
見出し・alt・HTMLの組み立てを整える
HTMLは、ページの文章や見出しや画像を、どんな順番と役割で並べるかを書いたものです。この組み立ての中で、見出しと画像の説明を整えます。
画像には、必要に応じてalt属性を付けます。alt属性は、画像に何が写っているかを文字で書いておく欄です。
見出しタグ(H1・H2・H3)は、ページの中の見出しに付ける目印です。ページの組み立てが分かるように使い、文字を大きく見せたいだけのところには使いません。
どちらも、検索エンジンだけでなく、スクリーンリーダー(画面の文字を読み上げるソフト)を使う人にも関わるところです。だれでも使いやすいサイトにすること(アクセシビリティ)にもつながります。
問い合わせへの導線を確かめる
SEOで検索から来る人が増えても、問い合わせまで進んでもらえなければ、成果にはつながりません。導線は、見に来た人が問い合わせまで迷わず進めるように置く、ボタンやリンクの道すじのことです。
トップページ、サービスのページ、実績のページから、問い合わせや相談のページへ自然に進めるかを確かめます。中小企業のサイトでは、検索での順位だけでなく、問い合わせにつながる導線まで見ることが大切です。
主なページで見直すところ
サイトの基本SEOでは、検索結果から来た人が見る、主なページから順に見直します。中小企業のサイトでは、トップページ、サービスのページ、実績のページ、会社概要のページが、問い合わせる前に判断する材料になります。
検索から来ても、何を頼めるのか、だれが対応するのか、どう相談すればいいのかが分かりにくいと、成果にはつながりません。ページごとに、次のことを確かめます。
- トップページ:だれ向けのサイトか、何を頼めるかがすぐ分かるか
- サービスのページ:何を頼めるか、だれ向けか、どこまで対応してもらえるかが分かるか
- 実績のページ:似た相談をしたい人が、判断できる情報があるか
- 会社概要のページ:だれが対応するか、信頼できる情報があるか
- 問い合わせへの導線:どのページからも、相談のページへ自然に進めるか
ページごとに役割を分けて、必要な情報へ自然に進める状態を作ることが、サイトの基本SEOの出発点です。
主なページの文章を、この見方でAIに読んでもらう例です。トップページやサービスのページの文章をコピーして、ChatGPTやClaudeの入力欄に貼ってください。
会社のホームページの、(サービスのページ)を見直しています。
初めてこのページを見た人の立場で、下の文章を読んでください。
次のことが、すぐに分かるかどうかを見てください。
・何を頼めるか
・だれ向けか
・どこまで対応してもらえるか
・どうやって相談すればいいか
分かりにくいところがあれば、どこがどう分かりにくいかと、足すとよい情報を書いてください。
ページの文章:
(ページの文章をここに貼る)
AIが「足すとよい」と書いた情報が、実際の会社の内容に合っているとは限りません。ページに載せる前に、事実かどうかを自分で確かめてください。
最初からやらなくてよいSEO対策
SEO対策は、最初から全部やる必要はありません。急がなくてよいものを後回しにするのも、立派な判断です。最初のうちは、次のような対策は急がなくて大丈夫です。
- 被リンク(ほかのサイトから自分のサイトへ張られたリンク)を集めることだけを目的にした、サイトの外での対策
- 大がかりなテクニカルSEO監査(サイトの技術的な作りを、専門家が細かく調べること)
- 順位追跡ツール(検索での順位を記録し続ける道具)を入れて、毎月レポートを作ること
- 短いあいだに、ページをたくさん増やすこと
「早くページを増やせばいい」と思いがちですが、サイトの土台が整っていないままページを増やしても、成果にはつながりにくいです。
それに、「必ず順位を上げる」方法はありません。SEOの結果は、検索エンジンの変化や、競合(同じ言葉で検索結果に出てくるほかの会社やお店)の様子で変わります。サイトの中身や、公開したあとも手を入れ続けているかどうかでも変わります。
始めるなら、この記事の前半に書いた基本の設定からが安全です。
SEO改善を続けるための月1チェック
SEOは、設定したあとも、月1回くらい様子を確かめていくものです。最初から難しいレポート(報告書)を作る必要はありません。次のことだけでも確かめられれば、直すきっかけになります。
- Search Consoleで、表示回数が増えているページ
- クリックされている検索キーワード
- 検索結果に出ているのに、クリックされていないページ
- 問い合わせにつながっているページ
- 表示が遅いページ
- 古くなったページや情報
- サービスのページや、問い合わせへの導線で直せるところ
数字は、次に何を直すかを決めるために見ます。月1回でも数字とページの様子を見ていると、次に直すところを決めやすくなります。
Search Consoleの数字を、AIと一緒に読む例です。Search Consoleで見られる、ページごとの表示回数とクリック数を書き写して、ChatGPTやClaudeの入力欄に貼ってください。
会社のホームページの、先月の検索の数字です。
ページごとに、検索結果に出た回数(表示回数)と、クリックされた回数(クリック数)を下に書きます。
検索結果に出ているのにクリックが少ないページを挙げて、タイトルや中身で確かめたほうがよいところを書いてください。
次に見直すページの順番の案も出してください。
(ページの名前、表示回数、クリック数を、1行に1ページずつ書く)
どのページから直すかは、AIの案を参考にしながら、自分の会社で決めてください。会社がいちばん売りたいサービスや、今いちばん問い合わせがほしい仕事は、AIには分かりません。
公開直後に見ておく項目は、サイト公開後に見るべきSEOチェック項目でチェックリストにしています。
よくある質問
Q. 中小企業サイトのSEO対策は何から始めればよいですか?
A. まずはSearch Consoleの設定、SEOタイトルの見直し、表示の速さ、alt属性や見出しタグ、問い合わせへの導線を確かめるのがおすすめです。
Q. SEO会社に依頼する前に、自社で確認できることはありますか?
A. あります。Search Consoleの設定、主なページのタイトル、表示の速さ、alt属性、問い合わせへの導線などは、専門的な分析の前に確かめられます。
Q. Search Consoleは必ず設定した方がよいですか?
A. 設定した方がよいです。検索キーワード、表示回数、クリック数、インデックスの状況を確かめられるので、どこを直すかを決める材料になります。
Q. SEOで必ず順位を上げることはできますか?
A. 順位の保証はできません。競合の様子や検索エンジンの変化もあるので、まずは検索に伝わりやすい土台を整えることが大切です。
まとめ
中小企業サイトのSEO対策は、検索に伝わる土台を整えるところから始めます。最初に見るのは、次のところです。
- Search Consoleの設定
- SEOタイトルの見直し
- 表示の速さの改善
- alt属性や見出しタグの整理
- サービスのページや、問い合わせへの導線
- 主なページどうしをつなぐ内部リンク
専門的な対策をいきなり始めるより、まず自分の会社のサイトの様子を確かめて、できるところから直していきます。Web制作やWordPressでの制作の段階からSEOを考えておくと、公開したあとの改善もしやすくなります。
Webサイト制作・SEO初期設計のご相談はこちら
サイト制作後のSEO設定や、検索から問い合わせにつながる導線に不安がある方へ。
筆者はフリーランスのWebディレクターとして、LP・コーポレートサイト・WordPress制作を行っています。
制作後のSearch Console設定、SEOタイトル、表示速度、HTML構造、問い合わせ導線の見直しも、まずは現状整理からご相談いただけます。