WordPressでのサイト制作を頼む前に決めること|見積もりのずれを防ぐチェックリスト
WordPressでサイトを作ってもらう前に、何ページ必要か、公開後にどこを自分たちで書きかえたいか、修正を何回まで頼むかを決めておくと、見積もりのずれや作り直しが減ります。決めておくことを、作る側の目線でまとめ、AIで整理するときの頼み方の例ものせます。
WordPress(ワードプレス)は、ホームページを作って、あとから文章や写真を自分で書きかえられるようにする仕組みです。書きかえは、管理画面(ログインして使う、サイトの編集用の画面)から行います。
最初に決めたいのは、ページ数と「自分で書きかえたいところ」
WordPressでの制作を外注する前に決めたいのは、ページ数、自分たちで書きかえたいところ、それに合わせた特別な入力欄が要るかどうかです。ここがあいまいなままだと、見積もりや納期がずれやすくなります。WordPressでは、管理画面から書きかえられる場所を増やすほど、そのための入力欄や表示のしくみを作る手間も増えます。どこを書きかえられるようにするかで、作る中身が変わるのです。
決めておきたいのは、たとえば次のようなことです。
- ページ数:トップページ、その下の階層のページ、一覧ページ、詳細ページを合わせて何ページあるか
- 自分で書きかえたいところ:お知らせ、実績、スタッフ紹介、料金表など
- 特別な入力欄や分類が要るか:カスタム投稿・カスタムフィールド・カスタムタクソノミーが必要か(すぐ下で説明します)
- 原稿・写真:デザインを作る時点で、どこまで決まっているか
- 修正の回数:最初の見積もりに、どこまでの修正が入っているか
カスタム投稿・カスタムフィールド・カスタムタクソノミーとは
どれも、WordPressに「自分たち専用の入れ物」を足すしくみです。名前は似ていますが、役目がちがいます。
- カスタム投稿:WordPressに最初からある「投稿」(ブログやお知らせに使う記事)とは別に、「実績」や「スタッフ」のような、自分専用の記事の種類を作るしくみ
- カスタムフィールド:記事やページに、自分で決めた入力欄(料金、担当者名など)を足すしくみ
- カスタムタクソノミー:記事を分けるための、自分専用の分類(「サービス別」「エリア別」など)
どれが必要かは、外注先に相談して決めれば大丈夫です。頼む側が決めておくのは、「どの情報を自分たちで書きかえたいか」のほうです。
このあと出てくる枠の中の文は、ChatGPTやClaude(ChatGPTと同じように、文章で話しかけて使うAI)の入力欄に貼って使えます。( )の部分は、自分の内容に書きかえてください。
公開後に自分たちで書きかえたい情報がまだはっきりしないときは、AIに候補を出してもらうと考えやすくなります。載せる予定の情報を書いて、入力欄に貼ってください。
WordPressでサイトを作ってもらう予定です。
公開したあと、自分たちで書きかえることになりそうな情報を整理したいです。
会社・お店の種類:(地域の整体院)
載せる予定の情報:(お知らせ、料金表、スタッフ紹介、よくある質問、営業時間)
書きかえそうな頻度:(お知らせはよく出す。料金はたまに変わる)
それぞれの情報について、管理画面から自分たちで書きかえられるようにしたほうがよいかを、理由を添えて書いてください。
最後に、制作会社に相談するときの質問を書き出してください。
ページ数は「何を1ページと数えるか」までそろえる
筆者が受けた案件で、最初は20ページのつもりだったのに、デザインを確かめると28ページになっていたことがありました。ページが増えれば、作る量も、表示を確かめる範囲も増えます。
依頼の前に「何を1ページと数えるか」まで外注先とそろえておくと安心です。たとえば、お知らせの一覧のページと、お知らせ1件ずつのページを、別々に数えるかどうかです。
見積もりを頼む前に、整理しておきたいこと
見積もりを頼む前に、サイトの目的、ページの組み立て、書きかえたい範囲、素材の状態をまとめておくと、話が早く進みます。最初から全部を決める必要はありません。わかっていることと、まだ決まっていないことを分けて伝えるだけでも、外注先は判断しやすくなります。
整理しておきたいのは、次のことです。
- サイトの目的:問い合わせ、採用、資料請求、実績の紹介など
- ページの組み立て:必要なページ、一覧ページと詳細ページがあるか
- 書きかえたい範囲:管理画面から編集したいところ
- 原稿・写真:もう渡せる、作っている途中、まだ決まっていない、のどれか
- デザイン:パソコン用とスマホ用のデザインがあるか
- サーバー・ドメイン:今使っているものがあるか、新しく用意するか
サーバーはサイトのデータを置いておく場所で、ドメインは「〇〇.com」のようなサイトの住所です。今のサイトがあるなら、どこと契約しているかを確かめておきます。
今わかっていることを、AIに見積もり用のメモの形へまとめてもらう例です。わかっていることを書きこんで、ChatGPTやClaudeの入力欄に貼ってください。
WordPressでのサイト制作を、外注先に見積もってもらう前の整理を手伝ってください。
今わかっていることを下に書きます。
サイトの目的:(問い合わせを増やしたい)
必要そうなページ:(トップ、会社紹介、サービス紹介、お知らせ一覧、お問い合わせ)
自分たちで書きかえたいところ:(お知らせ、スタッフ紹介)
原稿・写真:(原稿は半分ほどある。写真はまだ撮っていない)
デザイン:(まだ無い)
サーバー・ドメイン:(今のサイトで使っているものがある)
これを「決まっていること」「まだ決まっていないこと」「外注先に相談したいこと」に分けて、見積もりを頼むときに送るメモの形にしてください。
足りない情報があれば、最後に質問として書き出してください。
AIがまとめたメモは、そのまま送らないでください。書いてあることが自分たちの状況と合っているかを読んで確かめ、直してから使います。
原稿や写真が決まっていないときの扱い
原稿や写真は、デザインを作る時点で決まっている(確定している。制作の現場では「FIX」とも言います)のが理想です。ただ、実際の仕事では途中で変わることもあります。決まっていないまま進めるときは、「いつ決まるか」と「変わったら納期や費用にひびくか」を先に話しておきます。
LP(広告などから来た人に向けた、縦に長い1枚の宣伝ページ)やサービス紹介のページは、原稿・写真・ロゴ・実績があるかどうかで、デザインの組み方が変わります。たとえば、仮の写真でデザインを組んだあとに、本物の写真が縦長だったり、画質が足りなかったりすることがあります。そうなると、余白や写真の切り取り方、スマホでの見え方を直すことになります。
原稿も同じです。見出しが短い前提でデザインしてあるのに、公開の直前に長い文へ差し替えると、改行の位置やボタンの位置が変わり、その部分の縦の長さも変わります。
素材が決まっていなくても、依頼はできます。その場合は、素材ごとに扱いを分けておくと安心です。
- 確定(FIX済み):この内容で作ってよい
- 仮置き:あとで差し替える前提。差し替えるときに調整が出ることがある
- まだ渡していない:制作側で仮の素材を使うか、届くのを待つかを決める
- 作るところから頼む:原稿づくりや写真選びも、頼む範囲に入れる
作り直しが起きやすいところ
作り直し(手戻り)が起きやすいのは、デザイン、書きかえる範囲、修正の回数について、頼む側と作る側の考えがそろっていないときです。よくあるのは、計画の段階では見えていなかったことが、作っている途中で出てくる場合です。
たとえば、デザインを組んでいる途中で「ここは管理画面から書きかえられないと、あとで困る」と分かることがあります。そうなると、文字をページに直接書きこんで固定する作りをやめて、管理画面に入力欄(カスタムフィールド)を用意し、そこに入れた文字をページに出す作りに変えることになります。入力欄が増えるほど、管理画面の作り、ページに表示するしくみ、確かめる範囲も増えます。
情報を置く場所を1つに決める
情報の置き場所も、作り直しの原因になります。筆者も制作を受けた案件で、発注元から共有された情報を一度ファイルにまとめたのに、途中で置き場所が分からなくなり、中身も忘れてしまったことがあります。
こうした情報の迷子を防ぐには、共有する場所を1つに決めます。場所は、次のどれでもかまいません。
- Google Drive(Googleのファイル置き場)
- Notion(メモや資料をまとめるサービス)
- Backlog(仕事の進み具合を管理するサービス)
- GitHub(プログラムを保存して共有するサービス)
- Chatworkの概要欄(仕事用チャットのChatworkで、グループごとに置ける説明の欄)
決まりごと・素材・修正の内容がいくつもの場所に散らばると、見落としが起きやすくなります。
修正の回数と、修正の種類を分けておく
修正の回数も、作り直しの大きな原因です。デザインの修正を何回まで受けるかを発注側と制作側で決めていないと、何度も修正対応が続くことがあります。
もう一つ分けておきたいのが、修正の種類です。デザインを変えたいのか、作る側のミスを直してほしいのか。ここを分けておかないと、外注先の作業だけが増えていきます。外注の前に、次のように分けておくのがおすすめです。
- 作る側のミス(実装ミス):デザインどおりになっていない、リンク先が違う、など。修正として直してもらう
- デザインの変更:色、余白、並べ方、画像の差し替え方の変更など。変更として相談する
- 仕様の追加:書きかえる項目を増やす、ページを増やす、問い合わせフォームの項目を増やす、など。追加の見積もりになることがある
- 素材の差し替え:原稿・写真・ロゴを変える。どこまで影響するかで調整する
仕様は、サイトに「何ができるか」「何を載せるか」の決めごとのことです。
直してほしいことがたまったら、送る前にAIで種類を分けておくと、外注先とも話しやすくなります。直したいことを書き出して、ChatGPTやClaudeの入力欄に貼ってください。
制作中のサイトについて、外注先に修正をお願いする前に内容を整理したいです。
下の「直してほしいこと」を、次の4つの種類に分けてください。
・作る側のミス(デザインどおりになっていない、リンク先が違うなど)
・デザインの変更(色、余白、並べ方など)
・仕様の追加(ページや、書きかえる項目を増やすなど)
・素材の差し替え(原稿・写真・ロゴを変えるなど)
どれに当たるか迷うものは、迷った理由も書いてください。
直してほしいこと:
(ボタンを押すと、違うページが開く
見出しの色を、もう少し明るくしたい
スタッフ紹介のページを1つ増やしたい
トップの写真を、新しく撮ったものに変えたい)
AIの分け方は目安です。どの種類に当たるかは、最後は外注先と話して決めます。
デザインをFigma(デザインを作って共有するためのソフト)で渡す場合に確かめたいことは、Figma支給のコーディング依頼前に確認したい7つの項目にまとめています。
依頼前チェックリスト
WordPressでの制作を外注する前に、少なくとも次のことを確かめておきましょう。
- ページ数は決まっているか
- 一覧ページと詳細ページがあるかは決まっているか
- 管理画面で書きかえたいところは決まっているか
- カスタム投稿・カスタムフィールド・カスタムタクソノミーが要るかを、外注先に相談したか
- 原稿・写真をどこまで渡せるかを整理したか
- 原稿・写真・ロゴ・実績の素材を「確定」「仮置き」「まだ渡していない」に分けたか
- パソコン用・スマホ用のデザインがあるかを伝えたか
- サーバー・ドメインの情報を確かめたか
- 修正の回数と範囲を決めたか
- 公開後の保守(サイトの管理や手入れ)をどこまで頼むか決めたか
全部を自分たちだけで決める必要はありません。分からないところは「未定」として伝え、外注先と一緒に整理すれば大丈夫です。避けたいのは、あいまいなまま見積もりや制作に入ることです。
公開後の保守まで含めて外注する場合は、WordPressサイトの保守・更新を外注するメリットと頼み方で頼み方を整理しています。
よくある質問
Q. WordPress構築を外注する前に、すべて決めておく必要はありますか?
A. すべて決まっていなくても相談はできます。ページ数、書きかえたいところ、原稿・写真の状況、公開したい日を整理しておくと、見積もりや進め方の話が早くなります。
Q. カスタム投稿やカスタムフィールドが必要か分かりません。
A. 自分たちで書きかえたい情報があるなら、外注先に相談してください。実績、スタッフ紹介、料金表、よくある質問などは、管理画面から書きかえられる作りにした方が、あとで運用しやすい場合があります。
Q. 原稿や画像が完全に揃っていなくても依頼できますか?
A. 依頼はできます。ただ、決まっていない素材が多いと、デザインや制作の手直しが増えることがあります。どこまで決まっているかを先に伝えておきましょう。
Q. 修正回数は最初に決めた方がよいですか?
A. 決めておくのがおすすめです。デザインの変更、仕様の追加、作る側のミスの修正を分けておくと、あとで「話が違う」となりにくくなります。
Q. WordPress構築後の保守も依頼できますか?
A. 外注先によります。更新の作業、バックアップ(データの控えを取っておくこと)、ちょっとした修正、トラブルへの対応など、どこまで頼めるかを公開前に確かめておくと安心です。
まとめ
- ページ数とページの組み立てを整理する
- 管理画面で書きかえたいところを決める
- カスタム投稿・カスタムフィールドなどが要るかを、外注先に相談する
- 原稿・写真・ロゴ・実績の素材が、どこまで決まっているかを伝える
- 修正の回数と範囲を先に決める
WordPressでの制作では、公開後にどこを書きかえるか、誰が運用するかまで考えておくと、作り直しが減ります。外注前の整理に不安があるときは、要件(サイトに必要なことの一覧)をまとめる段階から相談するのがおすすめです。
WordPress構築のご相談はこちら
WordPress構築を外注したいけれど、要件整理や見積もり前の準備に不安がある方へ。
筆者はフリーランスのWebディレクターとして、LP・コーポレートサイト・WordPress制作を行っています。
まずは現在の状況を整理するところからご相談いただけます。