Claude Codeで社内ツールを作る方法【外注管理の実例】
Claude Codeを使うと、スプレッドシートを使った小さな社内ツールを、エンジニアでなくても作りやすくなります。外注先に頼んだ仕事を管理する表を作った例をもとに、向いているツール、作る手順、頼み方のこつ、作る前に確かめることをまとめます。
「外注タスクを管理したい」「期限が近いものを自動で目立たせたい」「誰が何をやっているか、毎回チャットをさかのぼらずに見たい」。こうした悩みは、エンジニアに頼むほど大きな開発ではないかもしれません。それでも、放っておくと確認の漏れや対応の遅れにつながります。
筆者はClaude CodeでGASを作り、外注先に頼んだ仕事(外注タスク)を、スプレッドシートで見える形にしました。GASは「Google Apps Script」の略で、Googleスプレッドシートなどを自動で動かすための小さなプログラムです。誰がどのタスクに取りかかっているか、期限が迫っていないか、終わったかどうかを一覧で確かめられます。
Claude Codeで社内ツールは作れるのか
Claude Codeは、GAS、HTML、スプレッドシートとの連携などを使った、小さな社内ツールづくりに向いています。特に、手順が決まっている管理や確認の仕事と相性がよいです。 HTMLは、Webページを作るための言葉です。
Claude Codeは、ターミナルやIDEで動くAIコーディングエージェントです。ターミナルはパソコンに文字で命令を打ちこむための黒い画面、IDEはプログラムを書くための専用のアプリです。AIコーディングエージェントは、プログラムを書く作業を、自分で手順を考えながら進めるAIのことです。
ブラウザで使うClaudeのチャット(claude.ai)とは別のものです。今あるファイルを読み、必要な直しを入れ、パソコンへの命令の実行や確認まで進められます。
そのため、エンジニアでなくても「作りたいもの」を言葉で説明できれば、ツールのたたき台(最初の形)を作れます。
そもそもClaude Codeで何ができるのかは、Claude Codeとは?非エンジニア向けの業務活用法で全体像を説明しています。
向いているツール
Claude Codeで作りやすいのは、次のようなツールです。
- スプレッドシートを使ったタスク管理
- お客さんの一覧や案件の一覧を整えること
- 期限が近い項目の色分け
- フォームに入力された内容と、その一覧の管理
- CSV(表のデータを文字だけで保存したファイル)やExcelの形を整えること
- 毎回同じチェックリストの自動化
共通しているのは、仕事の流れがある程度決まっていることです。「入力する項目」「見たい状態」「完了の条件」を言葉にできれば、Claude Codeに渡しやすくなります。
向いていないツール
最初から任せないほうがよいものもあります。
- お金の支払い(決済)や契約にかかわるシステム
- 個人情報をたくさん扱うシステム
- 会社の仕事の中心になっているシステム(基幹システム)と深くつなぐもの
- 不具合が起きると仕事が止まってしまう、大事なシステム
- 誰が何をできるかを細かく分ける(権限管理が必要な)ツール
こうしたものは、専門のエンジニアや、情報の安全を守る担当者(セキュリティ担当者)に相談したほうが安全です。
Claude Codeで最初に作るなら、失敗しても仕事全体が止まらない小さなツールから始めてください。
実例|外注タスク管理をスプレッドシートで見える化した話
筆者はClaude CodeでGASを作り、外注タスクの管理をスプレッドシートで見える形にしました。 ねらいは、外注先ごとの作業の進み具合と期限を、ひと目で確かめられるようにすることです。
作りたかったもの
作りたかったのは、外注タスクの管理表です。必要だった機能は、次のようなものでした。
- 誰がどのタスクに取りかかっているか分かる
- 期限が近いタスクを赤く表示する
- 終わったか、まだかを一覧で見られる
- 外注先ごとの進み具合を確かめられる
- スプレッドシートの上で使える
もともとは、チャット、頭の中の記憶、スプレッドシートに情報が分かれていました。そのままだと、確認が必要なタスクを見落としやすくなります。そこでClaude Codeに、GASで管理表を整える方向で頼みました。
Claude Codeへの指示例
指示は、最初から完璧な仕様書(作るものの細かい決まりをまとめた文書)にしなくてかまいません。使う人、管理したい項目、見たい状態を伝えます。
このあと出てくる枠の中の文は、Claude Codeの画面(ターミナルで claude と打つと開く、Claude Codeとやりとりする画面。始め方はClaude Codeとは?の記事にあります)に貼りつけて使えます。( )の部分は、自分の内容に書きかえてください。項目の名前も、自分の管理表に合わせて変えてかまいません。たとえば、次のように伝えます。
外注タスクを管理するGoogleスプレッドシートを作りたいです。
GASで、期限が近いタスクの行を赤くする仕組みを作ってください。
管理したい項目は以下です。
- タスク名
- 担当者
- ステータス(未着手 / 着手中 / 確認待ち / 完了)
- 期限
- 備考
やりたいことは以下です。
- 期限が3日以内で、完了していないタスクを赤くする
- 完了済みのタスクはグレーにする
- 担当者ごとに絞り込みやすい形にする
- 非エンジニアでも使いやすいようにしてください
ステータスは、タスクが今どの段階にあるか(状態)のことです。このように伝えると、Claude CodeはGASのプログラムや、スプレッドシートでの設定の手順を作れます。
どんなプログラムがほしいかは、書けなくてかまいません。伝えるのは、どんな状態にしたいかです。
できたこと
この仕組みで、外注の管理で見たい情報を一覧できるようになりました。
- 取りかかっているタスクが分かる
- 期限が迫っているタスクに気づける
- 終わったタスクを分けて見られる
- 外注先ごとの進み具合を確かめやすくなる
エンジニアでない人にとって大きいのは、頭の中で管理していた進み具合を、チームで見える状態にできることです。Claude Codeで社内ツールを作る値打ちは、そこにあります。
スプレッドシートとの接続そのものの手順は、Claude Codeとスプレッドシートを連携する方法で5ステップに分けて解説しています。
社内ツールを作る手順
Claude Codeで社内ツールを作るときは、最初から完成品を頼まず、小さく作って確かめながら育てるのが安全です。
STEP 1|業務の流れを書き出す
まず、いま手作業でやっている流れを書き出します。外注管理なら、次のように整理します。
- タスクを頼む
- 担当者を決める
- 期限を決める
- 取りかかっているかを確かめる
- 終わったら、ステータスを変える
- 期限が近いものを確かめる
この時点では、プログラムのことは考えなくて大丈夫です。Claude Codeに渡す前に、仕事を言葉にしておくことが大切です。
STEP 2|必要な項目を決める
次に、管理表に入れる項目(列)を決めます。
- タスク名
- 担当者
- 期限
- ステータス
- 優先度
- 備考
項目が多すぎると、入力が面倒になります。最初は、毎日見る項目だけに絞ってください。「あとで見たいかもしれない」項目は、最初の版には入れなくてかまいません。
流れの書き出しや項目えらびに迷ったら、AIに相談しながら決められます。次の文は、Claude Codeの画面でも、ChatGPTやClaudeのチャットの入力欄でも使えます。
(外注先に頼んだ仕事)を管理する表を、スプレッドシートで作りたいです。
いまの仕事の流れ:(タスクを頼む → 担当者と期限を決める → 終わったら連絡をもらう)
この流れを見て、管理表に入れる列を提案してください。
毎日見る列と、あとから足せばよい列に分けて、それぞれ理由を一言そえてください。
まだ表もプログラムも作らないでください。
AIが出した列は、そのまま使わずに、自分が毎日本当に見るものかを確かめて選びます。
STEP 3|Claude Codeに小さく作らせる
項目が決まったら、Claude Codeに小さく作ってもらいます。最初から機能を増やしすぎないのがこつです。たとえば、次のように頼みます。
まずは最小版で作ってください。
機能は以下だけで大丈夫です。
- タスク一覧を管理できる
- ステータスを選べる
- 期限が3日以内の未完了タスクを赤くする
あとから機能を追加したいので、コードは分かりやすく整理してください。
このように伝えると、あとから直しやすい形になりやすいです。
STEP 4|動作確認して修正する
Claude Codeが作ったものは、必ず自分で動かして確かめます。確かめたいのは、次のところです。
- 期限の色分けが正しく動くか
- 終わったタスクが赤くならないか
- ステータスを変えたときに、表示が変わるか
- 空欄や日付の打ちまちがいがあっても壊れないか
- ほかの人が見ても使い方が分かるか
うまく動かないときは、「何が違うか」を具体的に伝えます。
完了済みのタスクまで赤くなっています。
ステータスが「完了」の行は、期限が近くても赤くしないように修正してください。
起きていることと、正しい状態をセットで伝えると、直してもらいやすくなります。
自分で全部のパターンを試すのが大変なら、確認そのものを任せる方法もあります。思ってもいない入力で壊れないかを試してもらうときは、次のように頼みます。
いま作ったツールが、想定外の入力で壊れないか確認したいです。
次のケースを実際に試して、結果を報告してください。
- 期限が空欄の行
- 日付の形式が違う行(例:2026/1/5 と 2026-01-05 が混在)
- ステータスが選択肢にない文字列
- 行が1件もない状態
エラーが出たものは、どう直すべきかもあわせて教えてください。
まだ修正はしないでください。
「まだ修正しないで」を入れておくと、問題の一覧を先に確かめられます。直ったのか直っていないのか分からないまま、次々に書きかえられてしまうのを防げます。
うまくいく指示の書き方
Claude Codeへの指示では、プログラムの専門用語より、仕事の背景を具体的に伝えるほうが大切です。 特に意識したいのは、次のことです。
- 誰が使うか
- 何を管理したいか
- どうなったら便利か
目的があいまいな指示は、たとえばこうです。
タスク管理ツールを作ってください。
これだと、何を管理するのか、誰が使うのか、どんな状態が便利なのかが分かりません。
仕事の様子が見える指示は、こうなります。
外注先3名の制作タスクを管理するスプレッドシートを作りたいです。
期限が近い未完了タスクを自動で赤くして、確認漏れを防ぎたいです。
担当者ごとに絞り込みできると助かります。
このくらい具体的に書けば、Claude Codeは作る方向を決めやすくなります。
よく使う指示は、スキルとして登録しておくと毎回書かずに済みます。スキルは、Claude Codeに渡しておく「この仕事はこの手順で進めて」というメモのことです。Claude Codeスキルのおすすめ5選で登録方法を紹介しています。
作る前に確認すべき注意点
社内ツールを作る前に、扱う情報、誰が責任を持って使うか、失敗したときの影響を確かめてください。 便利だからといって、いきなり大事なデータを扱うツールを作るのは危険です。
個人情報・顧客情報を入れてよいか確認する
お客さんの名前、メールアドレス、電話番号、契約の情報などを扱うときは、先にルールを確かめてください。
- その情報をAIに見せてよいか
- スプレッドシートに保存してよいか
- ほかのツールとつないでよいか
- 誰が見られる状態にするか
ここをあいまいにしたまま作ると、情報の管理で困ることが起きやすくなります。最初は、ダミーデータ(本物に似せて作った、ためし用のデータ)や、個人情報の入っていないデータで試すのがおすすめです。
ダミーデータも、Claude Codeに作ってもらえます。
テスト用のダミーデータを30行作ってください。
列:(タスク名 / 担当者 / ステータス / 期限 / 備考)
条件:
- 実在しそうな会社名や人名は使わない(担当者はA〜Eなどの記号にする)
- 期限は過去・今日・来週が混ざるようにする
- 空欄やステータス未入力の行も数行入れる
作ったデータは「テスト用.csv」として保存してください。
わざと空欄や不備をまぜてもらうのがポイントです。きれいなデータだけで確かめると、実際に使い始めて最初に起きる不具合を見のがします。
完成後も人間が確認する
AIが作ったツールは、必ず人が確かめてください。特に確かめたいのは、次のところです。
- 条件によって動きを変えるところ(条件分岐)が正しく動くか
- まちがってデータを消さないか
- 入力ミスがあっても壊れないか
- 何人かで使っても問題がないか
- 大事な判断をAIに任せすぎていないか
Claude Codeは、作業を速く進めるための道具です。責任まで自動にしてくれるものではありません。
よくある質問
Q. Claude Codeで社内ツールは本当に作れますか?
A. 小さな管理表、GAS、HTMLファイル、チェックリストの自動化などは作りやすいです。一方で、決済や個人情報をたくさん扱う大事なシステムは、専門家に相談してください。
Q. コードが読めなくても大丈夫ですか?
A. 最初から全部読める必要はありません。ただし、作ったものを実際に動かして、思ったとおりに動くかを確かめる必要はあります。
Q. 何から作るのがおすすめですか?
A. 期限の管理、タスクの管理、ステータスの管理など、手順が決まっていて、失敗しても仕事全体が止まらないものから始めるのがおすすめです。
Q. スプレッドシートでも使えますか?
A. 使えます。GASを使えば、期限の色分け、ステータスの変更、通知、集計などを、スプレッドシートの上で作れます。
Q. 作ったツールが動かなくなったらどうすればいいですか?
A. エラーの内容や「どう動かなくなったか」をClaude Codeに伝えれば、原因を調べて直し方を教えてもらえます。最初から完全なものを作ろうとせず、小さく作って確かめながら育てるのが安全です。
まとめ
Claude Codeで社内ツールを作るなら、最初は小さな管理の仕事から始めるのがおすすめです。GASやスプレッドシートを使った小さなツールに向いていて、外注タスク管理なら、担当者、期限、ステータス、終わったかどうかを見える形にできます。
必要なのは、プログラムを書く力より、仕事の流れを言葉にする力です。最初から機能を増やさず、小さく作って確かめながら育てます。個人情報、お客さんの情報、大事なシステムは、先に扱い方を確かめてください。
社内ツールづくりは、いきなり大きな開発にしなくてかまいません。まずは、毎日見ているスプレッドシートを1つ選び、「ここが自動になったら楽になる」というところから始めてみてください。
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